診察時の保定や各種検査、手術助手、調剤など動物看護師の仕事は多岐にわたります。覚えることがとても多く、高齢や持病のある動物は体に負担をかけない配慮も大切です。大変ですが、通院や入院していた動物が元気になった姿や、飼い主さんの笑顔を見られた時は心からうれしくて、自分も少しは役に立てたと自信ややりがいになっています。トリマーとしては、皮膚の状態を見て必要があれば薬用シャンプーや保湿剤をお勧めしたり、バリカンを控え目にしたりと、飼い主さんにも動物にもベストなお手入れを心掛けています。

そもそも私が東京愛犬を選んだのは、看護と美容の両方を学ぶことができるから。JKC推薦指定機関という点も大きな魅力でした。授業では動物病院勤務の獣医師や動物看護師の講義もあり、将来の自分の仕事をイメージしやすかったです。トリミング中の健康状態チェックは学校で学んだことの一つで、今はそれが自然にでき、異変に気付けるようにもなりました。動物病院は動物も飼い主さんも緊張感や不安を抱えて来ることが多いと思います。でも「この病院に来て良かった」「この人に任せて良かった」と安心していただけるよう努力していきます。

東京愛犬を選んだ大きな理由は、学校内がとても清潔だったこと。事前に何校か見学した際、動物の匂いが全くなくて、どこを歩いても毛1本落ちていない。生徒の皆さんが毎日清掃しているためで、そんな気持ちのいい環境に惹かれました。在学中は植村校長をはじめ先生方が気さくに声をかけてくださり、風通しの良さを感じました。トリマーとして働いて5年になります。トリミングやシャンプーで気を付けているのは、嫌がることは無理にしないということ。特に初めての子は様子を見ながら、「ここまでならいいよ」というところまで。そうして「次はもう少し頑張ろうね」と信頼関係を作っていきます。

以前、預かったワンちゃんのしっぽに1cmくらいのイボがあることに気づきました。検査の結果、早期の癌でした。手術をして幸い転移もありませんでしたが、体調チェックもトリマーの大事な仕事。ワンちゃんをよく見て、飼い主さんともしっかりコミュニケーションを取っていくことの大切さを感じています。将来は自分の店を持ちたいと思っています。安心して預けられ、ワンちゃんもしっぽをブンブン振って来てくれる。そんな場所を作れるよう、さらに勉強を重ねていきます。